オン・ザ・ロード(1982)
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ザ・ロード Comments (19)
「ノーカントリー」の原作者として知られる文豪コーマック・マッカーシーがまだ幼い息子のために書き下ろした小説をヴィゴ・モーテンセン主演、「プロポジション 血の誓約」のジョン・ヒルコート監督で映画化したロードムービー。
同時期公開のデンゼル・ワシントン主演「ザ・ウォーカー」と内容がかなり被るが、一応娯楽作となっている「ザ・ウォーカー」と比べると、こちらはかなりアート寄り。ストーリーも現実感重視でカタルシスがなく、不満を漏らす観客が多そうだが、本作の見どころはストーリーではなく、旅の道中で交わされるヴィゴ親子の愛情。そして息子の成長。すべてが崩壊した無秩序な世界にもかかわらず、倫理観を保ちつづけ、息子のためにすべてをなげうつ父親の姿に胸を打たれる。
この小説にものすごく感動し、映画にたどり着いた次第。
結論から言うと、小説で感じた感動、心揺さぶられる体験は、この映画では同じ様には得られませんでした。
とは言えこの映画が良くないという意味では一切なく、これ以上の映像化は考えられません。
映画を既に観た方は、ぜひ小説を読んで欲しいと思います。
繰り返しになりますが映像化にあたり違和感は一切なく、小説であらかじめ頭に思い浮かべていたものと全てすんなり一致して、映画製作者の方々のこの作品への愛を感じました。
略奪、人殺し、ましてや人肉も。
その一線を越えない理由は息子。
あんな優し過ぎる性格では一人で生き延びるコトすら出来ないであろう息子にブレずに父親として背中で語るヴィゴが渋い。
テンションMAXで観た"デス・ロード"と同じ世界観で殆どの他人が自分も含めてこの親子のように退廃した世の中を地味に生きれるまで生きるのだろう。
生き残る為に善き心を捨て?忘れ?悪しき者になるか。
この男の子は、なぜ、この状況で、人に食料を与えられるのだろうか
人の物を盗んで食べるのと、人を食べることの間の罪の重さの違いはどのくらいなのだろうか
なぜ、悪い人とすぐ遭遇する割りに、すぐに助かるのだろうか
食べ物が満載のシェルターから出て行くことは正解なのだろうか
最後のシーンはこのあとどうなっていくのだろうか
エンドロールの効果音には意味があるのだろうか
ヴィゴの痩せっぷりが凄い
シャーリーズ・セロンとのくだりが薄い