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セントラル・ステーション Comments (2)
始めはブラジルの実情が日本と大きく異なる事に驚く。
途中主人公の悪っぷりに呆れ笑い、
最後は上手くまとまります。
登場人物が皆ちょっとあれなので、見ていて気分がいい映画では無いが、最後まで見れば…
架空の代筆で生計を立てる中年の女はある日離れて暮らす主人に手紙を書いてくれという母子と出会う。「飲んだくれのあんたのことは嫌いだけど息子が会いたがっている。」彼女はそういう。黙って仕事をする女だったが実は手紙はすべて彼女の家のタンスに仕舞われていた。翌日も現れた母子は手紙の内容を改めたいという。素直に「会いたい」と書いてくれという母はその後バスに引かれて死んでしまう。ストリートチルドレンになる男の子が気になる女だったが、ある日彼を連れて帰ることになる。でもそれは善意からなどではなかった。万引きした男をその場で撃ち殺すチンピラの紹介で人身売買の夫婦に少年を差し出しカラーテレビを持ち帰った彼女だったが、友人の叱責もあって自分のしたことを後悔することに。命がけで少年を取り戻し実父のもとへ逃避行を続けることになった二人は次第に心を通わせていく。金もなく行くあてもなくなった二人だったが少年のアイデアで代筆業を再開しやがて実父の息子たち、少年の兄達のもとに辿り着く。愛し合っていた事実。支え合う兄弟の姿に安心した彼女は少年をおいて一人旅立つのだった。
とてもいいロードムービーだった。すぐに騙すしすぐに嘘つく。でも優しい気持ちがないわけじゃない。そういうとっても人間的な中年の女と、まっすぐな少年の瞳。滲むような色合い。バグダッドカフェやスラムドッグ、パリテキサスのような色の鮮烈さがいつまでも記憶に残っている。人間はこんなにもいい加減で弱くてだからこそ愛すべき存在なのかもしれない。バスの中号泣してしまう女の涙と、バスを追いかけ続けた少年の必死さ。あの高ぶりこそ人間の心のリアルな姿なのだろう。