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バナナシュート裁判 Comments (1)
このタイトルを御存知の方は、相当の映画通…。
少ないレビューにも、余りにも心ない愚感想が多くて…(怒)
いや…たまたまミケランジェロ・アントニオーニの『欲望』を目にし、この佳作を思い出しましたンです。
『欲望』において「シャドーテニス(今観ると…サムイね)」は、空虚、幻影…冷えた者の象徴として描かれていました。
ところが!…この作品においては、主人公たちが織り成す『シャドーサッカー』は、はち切れんばかりの青春の象徴…「希望」として描かれています。
主演は黒澤作品の後期の常連、油井昌由樹。
監督は名優ー佐藤允の息子さん。佐藤闘介。
まぁそれにしても、若干二十歳そこそこのスタッフも、大きな喧嘩を売ったものっス!
物語も、シラケた青春を送っていた三人の高校生(男二人に女が一人…)が、『夢』に生きる中年男に出会い、感化され、それぞれの旅立ちをするーと、言うもの。
しかし、その中年の語る『夢』『旅立ち』には『裏』がありました。
それに対する三者三様の『裁き…ジャッジメント』が、映画をエンディングへ導きます。
彼らの『それら』が、定型化されず、面白い!
一人は『挫折』の痛み、共感…。
一人は真の己の姿に向き合わねばならぬ『苦しみ』…。
そして主人公青年の「落ちた偶像」へのやりきれぬ『思い』…。
彼の下すクライマックスが、観ている僕の心を二十歳のあの頃に戻して行きます。
まぁ、16㍉のスタンダード画面、観ていて『イタク』なる場面…そんなマイナス面もたっぷりなんですが、それをも乗り越える『熱さ』を間違えなく包含した作品です。
やっぱり映画は『ハート』です。