ダウン・バイ・ロー

不思議な雰囲気をもったモノクロ作品。脱獄囚チンピラ３人のキャラがいかにも人間くさくて可笑しい。
ロベルト・ベニーニの浮いた存在が逆に全体を締めている。

会話が詩的な箇所がいくつかあったがあんまり頭に入ってこなかった。ワンカットが不必要に長いと感じる時もあり。３組の生活風景はカットに工夫があって楽しめたが、捕まって牢獄生活からの脱獄、逃亡生活は普通の展開で退屈だった。

こんな予測不可能な将来✨

イタリア人のロベルトが登場すると彼中心で話が展開するようになり、キャラクターとしても立っているのでザックとジャックの影が薄く感じた。ロベルトはいいキャラクターだと思ったけれどザックとジャックからは魅力を感じなかった。
どうもこの監督のだらだらやる良さというのは自分にはわからない。

ジム・ジャームッシュの映画を観ると、いつもそこに詩を感じます。なんというか、登場人物みんなが詩を生きているように感じて、そのリズムに浸っていたくなるというかね。圧倒的に心地よいんですよ、それが。
私、オープニングからもう夢中でした。家々を移動撮影で映し続けるだけで、もう一発でジム・ジャームッシュを感じますし、その瞬間だけで、あぁ、観て良かったって思ってました。始まって15秒ぐらいで観て良かったって思ってました。私の場合、こういう体験って他の映画ではなかなかないので、やっぱりジャームッシュは貴重な存在だなって感じちゃいますね。
存在に感謝です、ジム・ジャームッシュ！