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影の車 Comments (4)
6つの子供がそんな危ないことを考えるのか、それとも疑心暗鬼の妄想なのかが焦点なのだが、さすが松本清張、ただの不倫劇には終わらない。
子供からしたら、突然変なおっさんがやってきて、夜な夜なお母さんのもとに訪問してきたら、憎たらしくもなるだろうという話。
とにかく岩下志麻の艶っぽさたるや、本当に凄まじい。今はこういう魔性的な魅力の女優はいないし、唯一無二の「女優」だと感じる作品だ。
作品のタイトルは「影の車」だが、短編集の小説のタイトルをそのままつけてるので、作品とは全く結びつかない。
この作品本来の小説原題は「潜在光景」、そのタイトルを知って観ると、作品の奥深さをより味わえるだろう。
案外良かったが、無理筋、又は、用心不足も少し感じられた
あらすじ、及び、映画の要点
1=幸雄から見て健一(6歳)の不審な行動
①首吊りに見えたロープ → ブランコを作成
②殺意を感じた包丁 → 木材を削った
③饅頭皿に混在した殺鼠用饅頭 → 故意か、偶然か不明
④寝てたらガス漏れ → 故意か、偶然か不明
2=スーツ着て、会社のバッジ付けて、何度も訪問は、用心不足
3=隣室に6歳の子供が寝てるのに性交は、用心不足
4=落ちたら死亡確率高い所での釣りにしては用心不足
ロープの種類や取り付けた位置も用心不足
最近、ハマっている野村芳太郎監督の作品。
ぶっちゃけテンポは悪いが、なかなか考えさせられる作品でした。
やはり「子どもだから殺意はない」とは限らない。これまで母と暮らしてて急に見ず知らずの人が住み始めて嫉妬し受け入れたくない感情は、ある意味、殺意と紙一重になる。
親自体にも問題があるように見える。
自分たちが愛し合うために子どもを車で放置。はっきり言ってありえない。子どもが寝静まってわざわざ子どもから見える所で性行為。これもない。とにかく見方によっては大人に振り回される子ども視点の映画としても見られる作品。
終盤の事件は説明がある訳ではないが、主人公の子どもの時に殺したのに“事故”によって処理された事件という過去が、そうさせたのでしょうね。
子どもの殺意が湧くまでのドラマをもうちょっと描いてほしかったが、98分と短い時間でそれなりに濃く、そして深い作品でした。