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大海原のソングライン Comments (3)
みんなで演奏!的な仕上げ方は多少の面白さを感じたけれど、ソング“ライン”というような繋がりはあまり感じなくて、時折差し込まれる環境の情報と相俟って、意図するものが自分には理解しかねました。
先住民的な音楽などには非常に興味をそそられるのですが、現代的に作曲され洗練されたと思われる音楽群には不思議と何も感じず・・・あまりに普通すぎで、もはや土着性など微塵も感じない、単なるポピュラー音楽にしか聞こえませんでした。悪くはないと思ったし、地道に録音されたものが重厚に重ねられていて、凄いんですけど、その音楽は自分には普通に聞こえてしまう─だったら別の音楽聴きます、となってしまいます。
それほど刺激もなく静かーに推移して終始その雰囲気を尊重した作品です。
あらゆる物事に対して優しいことは間違いなしです。
ハワイ、ポリネシア、ミクロネシア、縄文ヤポネシア。
琉球も台湾も、インドネシア、東南アジア。
スンダランドから、ムーの記憶へ。
言葉以前の、歌や音楽でつながっていた時代が、現代でも通用することを証明するかのような映画です。
背景となるその大自然の美しさに相まって、自戒を込めた警告文のスーパーが重なる。
母系社会の循環しつづける変わらない伝統文化と、父系社会で破壊し尽くした変わらなくてはいけない現代文化の最後の時代に生きている。
このままなら、悠久の流れの中にあったあの歌もあの音楽も、あの海や森も、一瞬にして消えて無くなるだろう。
それを決めるのも人間。
コロナ騒ぎだってそう。
異常気象を騒いでるのも。
問題をすべて外側の世界になすりつけて、自らの内側を変えようとはしないかぎり。
立ち止まろう。
まだ間に合う。
必要なものはすべてあるのだから。
そんなメッセージがきこえてくる映画でした。
欲を言えばもっと民族音楽を際立たせた内容であったら、もっと好きでした。
異なる場所の音楽を融合させるベースに西洋音楽の理論が使われていて、
どこかで聞いたことのあるような音楽になってしまうのがもったいなく感じました。