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パラサイト・イヴ Comments (3)
「あ、瀬名さんだ」「オーここはあそこではないか」(当時あるロケ地の近くに住んでた)とかまあ要するに映画とは直接関係のないところばかり気になっちゃう。
「細胞の中にはDNAを含んだ核や遺伝子を持ったミトコンドリアがある。ミトコンドリアは母親からしか伝わらない」などといった永島利明(三上)の講演。これだけでも興味深いのに、彼の妻・聖美(葉月)の幸せそうな映像。腎臓病で苦しむ12歳の少女・麻理子(大村彩子)の病室。子供たちにカタツムリの話をする浅倉佐知子(中嶋朋子)。と描写は進む。そして交通事故。脳死となった聖美だったが、腎バンクに登録していたため、移植コーディネーターの小田切(萬田久子)によって麻理子のHLAと型が一致し、移植手術が行われることになった。ひとつ条件として、永島は聖美の肝臓を取り出してほしいと吉住医師(別所哲也)に申し出たのだった。
妻を愛するあまり肝臓の細胞を培養する生物学者。その実験材料でもあるEVE細胞が浅倉に取りついて、学会で人間を滅ぼすとか何とか言わしめる。10億年も前から人間に寄生し、人間をコントロールする機会を伺っていたのだ。葉月里緒奈像は上半身裸(とは言え、レオタードみたいなのを着てる。この映画の1年後にヌード写真を発表)、直立不動で病院の廊下を駆け回る。
ホログラム的なリオナはミトコンドリアの覇権を主張し、腎臓移植された麻理子の子宮に永島の精子とともにEVEを埋め込んだのだ(よくわからんが)。クリスマスイブに生まれたから聖美と名づけられ、永島と出会ったのもクリスマスイブ。イブの語呂合わせで物語を面白くさせようとしているのだが、どうせなら風邪をひいた時もイブを飲んでたことにしろ!
公開当時はVFXがどうたらこうたらでかなり宣伝されていた作品。ともかく97年製作の割りには映像がしょぼい(特に人が燃えるシーン)。喩えるなら70年代の大林監督初期作品みたいな映像なのだ。しかし製作協力にROBOT。また、TVドラマ出身の落合監督はなぜか遠近法が好みのご様子で、病院の廊下を中心にしつこいほど登場する。
とは言え、ミトコンドリアの話は面白かったし、中嶋朋子の演説はちょっと笑えるし、思わず「みとこんどりゃー!」と叫びたくなってしまう作品でした。最後はよくわからん。愛がミトコンドリアに勝ったってことでOKかな?